「ホームページを作ったのに、問い合わせが全然増えない」 「採用サイトを出しても、欲しい人材から応募が来ない」「何を載せればいいか分からず、とりあえず会社紹介だけになっている」こうした悩みの多くは、「サイト設計」に原因があります。この記事では、マーケティングの考え方を根拠にしながら「成果が出るサイト設計の正解」を解説します。読み終わる頃には、自社サイトが「どこから直すべきか」「何を優先すべきか」が見えてきます。この記事で分かること:サイト設計を決める4つの視点成果が出るサイト設計を作るには、実は4つのマーケティング視点が必要です。これらは難しい理論ではなく、「誰に」「何を」「どの順番で」見せるかを整理する道具だと考えてください。Webサイトの役割を定義する → サイトは「24時間働く営業担当」ターゲットを明確にする(STP) → 誰に向けたサイトかをはっきりさせる訪問者の心理段階を理解する(マーケティングファネル) → 人は「知る→理解→比較→行動」の順に進む訪問者の移動ルートを設計する(カスタマージャーニー) → どのページを、どの順番で見てもらうかこの4つの視点で整理すると、「トップページに何を載せるべきか」「どのページが必要か」「ページの中身をどう並べるか」が自然と決まります。それぞれ順番に見ていきましょう。1. そもそも「サイト設計」とは何かまずサイト設計とは、サイト全体の構成(サイトマップ)と、ページ単位の構成(ワイヤーフレーム)の2つで成り立っています。それぞれに対して、どんな種類のページを用意して、ページ内はどんな記載内容にするかを決めることをサイト設計と呼びます。サイト全体の構成:どのページが必要か(例:サービス、実績、料金、会社概要、採用…)ページ単位の構成:ページの中で何を上から順に見せるか(例:会社のスローガン→会社概要→メンバー紹介)この設計図が弱いと、どれだけ見た目が美しくても成果は出ません。以下では、良いサイト設計をするうえで必要な4つの視点をご紹介します。2. 【視点1】Webサイトの役割:「オンラインの営業担当」だと考えるWebサイトには、コーポレートサイト(企業のホームページ)や採用サイトなどの種類がありますが、役割はシンプルです。コーポレートサイト:見込み客に「相談してみよう」と思ってもらう採用サイト:求職者に「応募してみよう」と思ってもらうつまりWebサイトは、24時間休まず働く営業担当・採用担当なのです。営業担当がいきなり「うちの会社はすごいんです!」と話し始めたら、聞き手は戸惑いますよね。一般的には、以下のような要素をおさえて話をする方が多いです。相手の状況を聞く(相手の課題を理解)解決できる理由を説明する(何をどうやるか)信頼材料を提示する(実績・事例・体制)次の行動を促す(相談、見積、資料請求)サイト設計も、まったく同じ順番で作ると成果が出やすくなります。3. 【視点2】STPで「誰に向けたサイトか」をはっきりさせるターゲットが曖昧だと、「どんなページが必要か」「何を強調すべきか」が決まりません。マーケティング戦略の基本であるSTPでターゲットを明確にすることで、サイト全体の構成とメッセージが定まります。STPとは?STPは、マーケティング戦略の基本となる3つのステップの頭文字です。S = Segmentation(セグメンテーション:市場の細分化)市場を細かく分ける例:「Web制作を探している企業」を「初めてホームページを作る企業」「リニューアルしたい企業」「採用に困っている企業」などに分類T = Targeting(ターゲティング:標的市場の選定)分類の中から「誰を狙うか」を決める例:「初めてサイトを作る地方の中小企業」に絞るP = Positioning(ポジショニング:立ち位置の明確化)その相手に対して「自社をどう位置づけるか」を決める例:「初心者でも安心。構成から一緒に考えるWeb制作会社」この3ステップで「誰に」「何を強みとして」伝えるかが明確になります。なぜSTPが重要か構成を作る前に、絶対に避けたい失敗があります。それは「誰にでも当てはまるサイト」になることです。誰にでも当てはまる言葉(例:"伴走します""高品質""柔軟対応")は、結局誰の心にも響きません。だから、マーケティングでは「誰に向けるか」を先に決めます。Webサイトで言えば、次の3点を先に決めることで、サイト設計が明確になります。どんな会社(人)にサイトに来てほしいかその人は何に困っているか自社が強いポイントは何か具体例:同じ「英会話教室」でも、刺さる相手が変わる相手A:海外旅行を楽しみたい50代の主婦不安:初心者でついていけるか心配、若い人ばかりで気後れしそう刺さる:初心者クラス充実、同年代が多い、旅行で使える実践的な内容、昼間の時間帯相手B:昇進のためにTOEICスコアが必要な30代ビジネスパーソン不安:仕事が忙しくて続けられるか、本当にスコアが上がるか刺さる:短期集中コース、TOEIC専門講師、スコア保証制度、平日夜・週末対応相手C:子どもに早期英語教育を受けさせたい親不安:子どもが飽きずに続けられるか、ネイティブの発音が身につくか刺さる:楽しいアクティビティ、ネイティブ講師、年齢別クラス、親子レッスンこのように「誰向けか」が決まると、構成も自然に定まります。逆にここが曖昧だと、ページを増やしても成果は出にくいのです。4. 【視点3】マーケティングファネルで考えると、構成の正解が見えてくる訪問者がどの段階にいるかによって、必要な情報が変わります。マーケティングファネルという概念を使うと、「サイト全体でを通じて必ず記載したい情報」が整理できます。マーケティングファネルとは?マーケティングファネル(Marketing Funnel)とは、人が商品やサービスを知ってから購入(または応募)するまでの心理段階を、ピラミッドのような形で表したものです。最初は多くの人が「知る」段階にいますが、段階が進むにつれて人数が減り、最終的に「行動する」人は少数になりますWebサイトでは、この各段階に合わせて情報を用意することで、訪問者をスムーズに次の段階へ導けます。訪問者の4つの心理段階マーケティングには「人は一瞬で買わない(応募しない)」という前提があります。知らない会社に、いきなり問い合わせや応募をするのは不安だからです。サイト訪問者は次の4段階を順番に進みます。知る(存在を知る)理解する(自分に関係あるか分かる)比較する(他と比べて検討する)行動する(問い合わせ・応募する)構成の正解:段階ごとに"必要な情報"を配置するたとえば、あなたが「英会話教室を探している社会人」だとします。知る:検索で記事を読む、SNSで広告を見かける理解:この教室は自分のレベルに合う?通える場所にある?比較:料金は?講師の質は?他の教室との違いは?行動:体験レッスンを申し込もうかな(でも不安…)このとき、サイトに必要な情報は次のように整理できます。訪問者の段階訪問者が思っていること(例)サイト側が用意する情報知る英語を話せるようになりたい…悩みに共感する記事、分かりやすいキャッチコピー理解自分のレベルでも大丈夫?初心者〜上級者別コース、対象者の説明比較他と比べてどう?料金プラン、講師紹介、レッスン形式、通いやすさ行動体験レッスン申し込んでいい?無料体験の流れ、よくある質問、簡単な申込フォーム構成の正解は「きれいに並べる」ことではなく、訪問者の段階に合わせて情報を配置することです。5. 【視点4】カスタマージャーニーで「各ページの役割」「ページ内の記載内容」を決める視点4では、視点3のマーケティングファネルで紹介したサイト訪問者の4つの心理段階をを踏まえつつ、心理段階の最後にある「行動(お問合せや申込みなど)」を引き起こすために、具体的に「どんなページが必要か」「ページ内に何を載せるべきか」を明確にしていきます。カスタマージャーニーとは?カスタマージャーニー(Customer Journey)とは、直訳すると「顧客の旅」。訪問者がサイトに来てから目的を達成するまでの「ページ間の移動」と「心理の変化」をステップごとに整理したものです。このステップに則ってサイト全体を構成すると、より成果が見込めます。Webサイトでは「記事→トップページ→サービスページ→実績→問い合わせ」というサイト訪問者の移動ルートが一般的です。具体例:コーポレートサイトのよくある導線ブログ記事を読む(検索流入)トップページを見る(会社の雰囲気を確認)サービスページを見る(対応範囲を確認)実績を見る(信頼できるか確認)料金 or 流れを見る(予算・手間を想像)問い合わせこの流れに合わせて各ページの役割を明確にすると、サイトは強くなります。ブログ記事:悩みの言語化/解決策の提示/次ページへ案内トップページ:一言で「何屋か」を伝える/安心感を作るサービスページ:何をどこまでやるかを具体化実績ページ:信頼を裏付ける料金・流れページ:不安を減らす問い合わせページ:迷わず送れるようにする重要なのは「サイト訪問者がどんな気持ちで移動するか」を理解して、必要なページや情報を記載することカスタマージャーニーで大切なのは、移動順序だけではなく、各ページで訪問者が何を考え、どんな不安を持っているかも理解することです。例:英会話教室を探している社会人の場合ページ訪問者の心理・不安サイト側が用意する情報トップページ「自分のレベルでも大丈夫?」「仕事と両立できる?」初心者歓迎のメッセージ、平日夜・週末の時間帯を強調コース紹介「具体的に何をするの?」「ついていけるか不安…」レベル別の詳細、1回のレッスンの流れ、使用教材料金ページ「高すぎないか?」「途中でやめたらどうなる?」明確な料金表、月謝制・回数制の選択肢、解約条件講師紹介「どんな先生が教えるの?」「質は大丈夫?」講師の経歴・資格、レッスン動画、生徒の声アクセス/体験申込「通える場所?」「いきなり入会は不安…」地図・最寄駅、無料体験レッスンの案内、気軽に試せることを強調このように、各ページで訪問者が感じる不安を想定し、それを解消する情報を配置することで、スムーズに「体験申込」まで進んでもらえます。6. よくある失敗パターン失敗1:トップページが"会社紹介"になっている会社紹介は大切ですが、最初に必要なのは「相手にとってのメリット」です。まず「何を解決できる会社か」を示す方が反応率は上がります。失敗2:強みが抽象的"高品質""柔軟""丁寧"は、どの会社も謳っています。「何がどう高品質か」まで書く必要があります。例:✕ 高品質なサイトを制作◯ マーケティング理論に基づいて導線設計を行い、問い合わせにつながる構成から設計失敗3:事例が"成果の説明なし"で並んでいる事例は「画像」より「課題→施策→結果」の順で書くと説得力が増します。課題:問い合わせが月1件施策:構成を見直し、実績と料金の導線を改善結果:月5件に増加(数値が出せない場合は「商談が増えた」などでもOK)まとめ:サイト設計は4つの視点が重要成果が出るWebサイトを作るには、デザインや文章の前に、以下の4つの視点を元に「サイト設計」を整えることが大切です。この記事で解説した4つの視点視点1:Webサイトの役割を定義するサイトは「24時間働く営業担当」いきなり売り込むのではなく、段階を踏んで信頼を築く視点2:STPでターゲットを明確にする「誰に向けたサイトか」をはっきりさせるターゲットが決まれば、必要なページや強調すべき情報が自然と定まる視点3:マーケティングファネルで心理段階を理解する訪問者は「知る→理解→比較→行動」の順に進む各段階に合わせた情報を配置することで、離脱を防ぐ視点4:カスタマージャーニーで移動ルートを設計する各ページで訪問者が何を考え、どんな不安を持つかを想定不安を解消する情報を適切に配置することで、次のページへ誘導配布資料のダウンロードはこちら本資料は、記事内で使用したスライドをまとめた配布資料です。ホームページ設計を考えるうえで重要な4つのマーケティング視点を、あとから見返しやすい形で整理しています。自社サイトの改善検討や、制作・リニューアル時のチェック用としてお使いいただけます。ダウンロードはこちら最後にいきなりデザインを変えたり、ページを増やしたりする前に、訪問者がどこで離脱しているか不安を消す情報がどこで不足しているかページの役割が混ざっていないかを整理するだけで、改善の方向性がスッと定まります。もし、「自社の場合、どのページをどう直せばいい?」「コーポレートサイトと採用サイト、どっちを優先すべき?」「構成案を一緒に整理してほしい」という状況でしたら、ご相談 / お問い合わせをぜひご活用ください。